店じまい窓口 / 記事一覧 / 飲食店 閉店 手続き 7つのチェックリストと費用相場

飲食店 閉店 手続き 7つのチェックリストと費用相場

公開: 2026年6月4日
飲食店の閉店を検討している中高年男性オーナーの方へ。手続きをどこから始めればよいか分からないまま時間が経過しているケースは少なくありません。この記事では、閉店に向けた7つのチェック項目を整理し、事前に確認しておきたいポイントを具体的にまとめました。まずは全体像を把握したうえで、ご自身の店舗に当てはまる部分から順に進めていくことをおすすめします。

この記事で分かること

1. 閉店時期とスケジュールの整理

閉店を決める前に、まずは「いつまでに何を終わらせたいか」を逆算して整理しておくことが大切です。賃貸契約の解約予告期間や、従業員への説明・再就職支援の期間を考慮すると、3〜6ヶ月前から計画を立てる店舗も見られます。

手順を番号で整理すると以下のようになります。

  1. 契約書・重要事項説明書・覚書をすべて取り出し、解約予告期間・違約金条項・原状回復条項を抜き書きする
  2. 解約通知を出す「最終期限」をカレンダーに記入(例: 6ヶ月前・3ヶ月前・1ヶ月前)
  3. 大家・管理会社へ「概ねの閉店月」を事前連絡し、通知方法(書面・メール)を確認
  4. 従業員へ説明する「最短・最長」の2パターンを用意し、社労士やハローワークに相談するタイミングを決める
  5. 取引先へ「在庫引取・未払金精算」の最終連絡期限を設定

チェックリスト例:

※具体例は店舗の契約内容・状況により異なります。

2. 従業員への対応と社会保険手続き

従業員が在籍している場合、雇用保険や社会保険の資格喪失手続きが必要になる可能性があります。手続きの期限や必要書類は、加入している保険の種類によって異なるため、管轄のハローワークや年金事務所で確認することが一般的です。

手続きを番号で整理すると以下のようになります。

  1. 従業員ごとに「雇用保険被保険者資格喪失届」「離職証明書」の必要性を確認
  2. 健康保険・厚生年金保険の資格喪失届を年金事務所へ提出(退職後5日以内が目安とされることが多い)
  3. 労働保険の概算保険料・確定保険料の精算方法をハローワークまたは労働基準監督署で確認
  4. 源泉徴収票・退職所得の源泉徴収票を交付

費用内訳の目安(従業員5名規模・自己対応の場合):

項目参考相場備考
離職票発行手数料無料〜1,000円/枚ハローワーク窓口
社会保険手続き代行1人あたり5,000〜15,000円外部委託の場合
源泉徴収票再発行1枚500〜1,000円税務署・税理士事務所

チェックリスト例:

手続きに要する期間は、書類の不備がなければおおむね2〜4週間程度と言われることが多いですが、店舗の状況により前後します。

3. 税務・会計関連の確認

閉店に伴い、法人・個人事業主ともに確定申告や各種届出が必要になる場合があります。国税庁のウェブサイトでは、廃業時の手続きについて概要が案内されています。

手順を番号で整理すると以下のようになります。

  1. 直近3期分の確定申告書・決算書・総勘定元帳をファイルにまとめる
  2. 消費税の「廃業届出書」の提出要否を所轄税務署で確認(提出期限は廃業後1ヶ月以内が目安とされることが多い)
  3. 償却資産申告書(固定資産税)の提出先と期限を市区町村役場で確認
  4. 源泉所得税の納付状況と納期限を再確認し、未納分があれば精算

費用内訳の目安(税理士へ最終申告を依頼する場合):

項目参考相場備考
最終確定申告(法人)80,000〜150,000円規模による
消費税廃業届出10,000〜30,000円別途依頼の場合
償却資産申告5,000〜15,000円市区町村役場提出

国税庁「廃業の手続きについて」 を参考に、必要書類を早めに準備しておくと安心です。

チェックリスト例:

4. 保健所・消防・警察への届出

飲食店営業許可や深夜酒類提供の届出をしている店舗の場合、廃止届の提出が必要になることがあります。提出先や期限は自治体により異なるため、事前に各窓口で確認することをおすすめします。

手順を番号で整理すると以下のようになります。

  1. 保健所窓口に「営業許可廃止届」の様式と添付書類(営業許可証・平面図)を電話で確認
  2. 消防署に「防火対象物使用廃止届」の提出方法と手数料(無料〜数千円程度)を問い合わせ
  3. 警察署生活安全課に「深夜酒類提供営業廃止届」の様式を請求(提出期限は廃止後10日以内が目安とされることが多い)
  4. 屋外広告物条例に基づく看板撤去許可の要否を自治体都市計画課で確認

費用内訳の目安:

項目参考相場備考
営業許可廃止届無料〜2,000円保健所窓口
防火対象物使用廃止届無料〜3,000円消防署窓口
深夜酒類提供廃止届無料〜1,000円警察署窓口

チェックリスト例:

5. 設備・内装の原状回復と撤去

賃貸物件の場合、原状回復の範囲や費用負担については契約書に定められていることが一般的です。相場としては、居抜き物件で坪あたり3〜8万円程度、原状回復工事が必要な場合は10万円以上かかるケースも報告されています。

手順を番号で整理すると以下のようになります。

  1. 賃貸借契約書・特約事項・重要事項説明書を再確認し、原状回復範囲を抜き書き
  2. 大家・管理会社と「原状回復範囲協議書」を作成(メール・書面)
  3. 居抜き譲渡・原状回復工事・残置物撤去の3パターンで見積もりを各2社取得
  4. 厨房機器の買取・廃棄・寄付のいずれかを決定し、処分業者を手配
  5. 閉店後1週間以内に最終清掃と鍵の返却日程を調整

費用内訳の目安(20坪・居抜き引き渡しの場合):

項目参考相場備考
居抜き引き渡し坪3〜5万円大家と協議
原状回復工事坪8〜15万円スケルトン戻し
厨房機器撤去1式5〜15万円産業廃棄物含む
残置物処分1式3〜8万円量による

チェックリスト例:

※具体例は店舗の契約内容・状況により異なります。

6. 取引先・債権債務の整理

食材・酒類・資材の仕入先や、クレジットカード決済会社、リース会社などへの連絡を忘れずに行います。未払金や前受金の精算方法についても、事前に整理しておくとスムーズです。

手順を番号で整理すると以下のようになります。

  1. 取引先台帳を作成し、連絡先・担当者・未払金額を一覧化
  2. 閉店通知文(書面)を各社へ送付(到着確認を残す)
  3. リース会社へ「解約予定月」を連絡し、違約金・残債の確認
  4. クレジットカード決済会社へ「解約届出書」を提出(手数料0〜5,000円程度)
  5. 売掛金回収・買掛金支払いの最終スケジュールを調整

費用内訳の目安:

項目参考相場備考
リース解約違約金残債の0〜3ヶ月分契約による
クレジット決済解約0〜5,000円会社による
通知文送付(書面)1通82円〜500円内容証明の場合

チェックリスト例:

7. 店舗の最終確認と閉店後の連絡先整理

閉店日当日に何を確認すべきかをリストアップしておくと、抜け漏れを防ぎやすくなります。

手順を番号で整理すると以下のようになります。

  1. 電気・ガス・水道の停止日を各事業者に連絡(閉店前日が目安)
  2. 日本郵便へ「転居・転送届」を提出(閉店後1週間前が目安)
  3. 固定電話・インターネット回線の解約日を事業者に連絡(違約金0〜10,000円程度)
  4. 大家・近隣店舗へ最終挨拶状を準備
  5. 閉店後の連絡先(携帯・メール)を大家・取引先に通知

費用内訳の目安:

項目参考相場備考
電話回線解約違約金0〜10,000円契約による
転送届(無料)無料日本郵便
挨拶状印刷50枚3,000〜6,000円オフセット印刷

チェックリスト例:

よくある質問

閉店手続きは誰に相談すればよいですか?

自治体の窓口や、加入している各種保険の管轄機関で概要を確認するのが一般的です。必要に応じて専門家に個別事情を相談する選択肢もあります。

閉店を決めてから手続き完了までどのくらいかかりますか?

店舗の規模や契約内容により異なりますが、3〜6ヶ月程度を目安に計画を立てるケースが多いようです。余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。

原状回復費用はどれくらいかかる可能性がありますか?

居抜きで引き渡す場合と原状回復工事が必要な場合で大きく異なります。契約書を確認のうえ、大家や管理会社と事前に協議しておくと安心です。

従業員がいる場合、どのような手続きが必要ですか?

社会保険や雇用保険の資格喪失手続き、離職票の発行などが挙げられます。詳細はハローワークや年金事務所で確認してください。

閉店を相談しても、必ず閉店しなければなりませんか?

いいえ。状況整理のための相談だけでも問題ありません。まずは全体像を把握してから判断する選択肢もあります。

関連記事

本記事について
本記事は店じまい窓口の編集チームが作成した一般的な情報提供です。実際の手続きは店舗の状況・契約内容・自治体により異なるため、具体的な判断は管轄機関や専門家にご確認ください。 店じまい窓口は、ご相談内容を整理してご案内する窓口であり、代理交渉等は行いません。
かんたん撤退診断をする匿名・無料・60秒 / 閉店を強制しません