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廃業時の個人事業税の計算と申告手順

公開: 2026年9月11日
個人事業をやめる際に発生する個人事業税の扱いは、開業時とは異なる点がいくつかあります。税額の計算方法、申告期限、必要書類の確認など、具体的な手続きを整理しておくことで、想定外の負担や手続き漏れを減らすことができます。この記事では、個人事業税に焦点を当てて、廃業時に確認しておきたいポイントをまとめます。ご自身の状況に照らして参考にしていただければ幸いです。

この記事で分かること

個人事業税は、事業規模や業種によって課税の有無や税額が変わる地方税です。廃業を検討している場合でも、事業を続けていた期間については課税対象となる可能性があります。以下では、廃業に伴う個人事業税の具体的な扱いについて、順を追って確認していきます。

個人事業税の基本と廃業時の課税対象期間

個人事業税は、都道府県が課税する地方税で、一定の所得がある個人事業主に課されるものです。廃業した場合でも、事業を行っていた期間の所得に対しては課税されることが一般的です。

課税の対象となる期間は、1月1日から廃業日までの事業所得です。1月1日以降に開業した場合は開業日から廃業日まで、年度の途中で廃業した場合はその年の1月1日から廃業日までの所得が対象となります。

※具体例は店舗の契約内容・状況により異なります。

個人事業税の税率は、業種によって異なり、第一種事業は5%、第二種事業は4%、第三種事業は5%が基本です。廃業を決めた時点で、自身の事業がどの業種に該当するかを確認しておくと、税額の見通しを立てやすくなります。

都道府県税事務所ごとに、第一種・第二種・第三種の判定基準が細かく定められている場合があります。飲食店の場合、通常は第一種事業に該当しますが、提供するサービス内容や販売形態によって第二種に分類されるケースも稀にあります。事前に管轄の都道府県税事務所で自店舗の業種区分を確認しておくと、税率の適用誤りを防ぎやすくなります。

廃業年の個人事業税の計算方法と特例

個人事業税の計算は、事業所得から各種控除を差し引いた金額に税率を乗じて求めます。廃業年は、事業を行っていた期間が1年未満となるため、計算の際には日割り計算や月割り計算が必要になる場合があります。

計算の流れは以下の通りです。

  1. 事業所得の算出(収入から必要経費を差し引く)
  2. 290万円の事業主控除を適用(年額、月割りで計算する場合あり)
  3. 所得金額に税率を乗じて税額を算出

廃業年特有のポイントとして、事業主控除の月割り計算が挙げられます。たとえば、6月30日に廃業した場合、控除額は290万円×6/12=145万円となります。税額の目安として、所得300万円、第一種事業の場合、税額はおおよそ7.5万円前後になるケースもありますが、実際の金額は所得や控除内容により異なります。

項目金額の目安(例)
事業所得300万円
事業主控除(6ヶ月分)145万円
課税標準額155万円
税率(第一種事業)5%
税額(目安)7.75万円

この表はあくまで一例です。実際の計算では、青色申告特別控除や専従者控除などの他の控除も影響します。

さらに、青色申告特別控除を65万円受けている場合、300万円の所得から65万円を差し引いた235万円に事業主控除を適用する流れになります。月割り控除後の事業主控除145万円を引くと課税標準額は90万円となり、税額は4.5万円程度に抑えられる可能性があります。控除の組み合わせによって税負担が大きく変わるため、複数の控除を同時に確認しておくことが大切です。

申告期限と納税の流れ

個人事業税の申告は、原則として翌年の3月15日までに行います。廃業した場合も、申告期限は変わりません。ただし、廃業後に申告書を作成する際は、開業時とは異なる書類の準備が必要になることがあります。

申告の流れは以下の通りです。

  1. 廃業届出書を税務署に提出(個人事業税の申告とは別)
  2. 個人事業税の申告書を都道府県税事務所に提出
  3. 納税通知書が届いたら、指定の期限までに納税

廃業届出書は、廃業日から1ヶ月以内に提出することが推奨されています。個人事業税の申告書は、翌年3月15日が期限です。期限を過ぎると、加算金や延滞金が発生する可能性があるため、早めの準備が望まれます。

提出先は、事業所の所在地を管轄する都道府県税事務所です。複数店舗を運営していた場合は、それぞれの所在地を管轄する事務所に確認する必要があります。

申告書提出後、通常は5月から6月頃に納税通知書が送付されます。通知書には税額・納期限・振込先口座が記載されており、指定された期日までに納付しないと延滞金が加算される場合があります。eLTAXで申告した場合は、通知書が電子交付される自治体もあるため、事前にeLTAXの受信設定を確認しておくとスムーズです。

必要書類と記載例

個人事業税の申告に必要な主な書類は以下の通りです。

申告書の記載例として、事業所得欄には「○○飲食店 令和○年1月1日~6月30日」と廃業日を明記し、所得金額を記入します。控除額の欄には、月割り計算した事業主控除額を記載します。

書類の提出方法は、窓口持参、郵送、または電子申告(eLTAX)に対応している自治体もあります。eLTAXを利用する場合は、事前に利用者IDの取得が必要です。

提出書類に不備があると、再提出を求められることがあります。廃業日や事業所名称の表記誤り、控除額の計算違いがよくある指摘事項です。申告前にチェックリストで最終確認をすると、提出後の手戻りを減らせます。

廃業時の注意点と確認事項

廃業に伴う個人事業税の扱いでは、以下の点に注意が必要です。

赤字の場合でも、申告をすることで翌年以降の税額に影響する可能性があります。申告を省略すると、税務上の不利益が生じるケースもあるため、管轄の都道府県税事務所で確認することをおすすめします。

また、個人事業税は都道府県ごとに運用が異なる場合があります。税率や控除の扱いについて、事前に管轄機関で確認しておくと安心です。

国税庁のウェブサイトでは、廃業時の手続きに関する一般的な情報が公開されています。詳細は以下のリンクからご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm

都道府県税事務所の窓口では、廃業年分の所得計算や控除の適用について、事前相談を受け付けている場合があります。相談時には前年の確定申告書や収支内訳書を持参すると、具体的な試算を依頼しやすくなります。事前相談の予約は、電話または窓口で受け付けている自治体が多いため、早めに連絡先を確認しておくと良いでしょう。

よくある質問

廃業した年に個人事業税の申告は必要ですか?

事業を行っていた期間の所得がある場合、申告が必要です。赤字の場合でも、申告をすることで今後の税務に影響する可能性があるため、管轄の都道府県税事務所で確認することをおすすめします。

事業主控除は廃業年も満額受けられますか?

事業主控除は、事業を行っていた期間に応じて月割りで計算されることが一般的です。廃業日までの月数に基づいて控除額を算出します。

申告を忘れた場合のペナルティはありますか?

申告期限を過ぎると、加算金や延滞金が発生する可能性があります。早めに申告書を準備し、期限内に提出するよう心がけましょう。

複数店舗を運営していた場合の申告先は?

各店舗の所在地を管轄する都道府県税事務所に申告する必要があります。複数の都道府県に店舗がある場合は、それぞれの事務所に確認してください。

廃業後に納税通知書が届かない場合は?

通知書が届かない場合でも、申告義務がある場合は自ら申告する必要があります。管轄の都道府県税事務所に問い合わせ、申告手続きを確認することをおすすめします。

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本記事について
本記事は店じまい窓口の編集チームが作成した一般的な情報提供です。実際の手続きは店舗の状況・契約内容・自治体により異なるため、具体的な判断は管轄機関や専門家にご確認ください。 店じまい窓口は、ご相談内容を整理してご案内する窓口であり、代理交渉等は行いません。
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