この記事で分かること
- 上野エリアの居抜き譲渡における賃料・造作譲渡金の相場レンジ
- 買い手が重視する設備・立地条件と業態別の需要傾向
- 譲渡手続きの流れと、大家・管理会社への連絡時期の目安
- 搬出・原状回復で注意すべき上野特有の制約
上野は不忍池周辺の観光需要と、御徒町・稲荷町方面のビジネス需要が混在するエリアです。居抜き譲渡を検討する際は、こうした二極化した需要を踏まえた価格設定と設備の選別が求められます。以下で具体的な数値と手順を確認していきましょう。
上野エリアの賃料水準と居抜き譲渡相場
上野駅周辺の1階路面店舗では、2023年時点で坪単価2.8–4.2万円程度が募集賃料の目安とされています(不動産経済研究所「東京23区テナント賃料調査」)。一方、居抜き譲渡の場合、買い手は「賃料+造作譲渡金」の総額で判断するため、造作譲渡金を上乗せしすぎると成約が遠のく傾向があります。
造作譲渡金の相場感として、厨房設備が残る飲食店の場合、床面積30–50㎡で150–350万円程度が最近の成約事例のレンジです。テーブル・椅子中心の軽飲食や物販店舗では50–150万円と幅があります。※具体例は店舗の契約内容・状況により異なります。
| 項目 | 相場レンジ(上野駅徒歩5分圏内) | 備考 |
|---|---|---|
| 賃料(月額) | 30–60万円 | 1階路面・30–50㎡想定 |
| 造作譲渡金 | 50–350万円 | 設備残存年数・業態による |
| 権利金・更新料 | 0–200万円 | 大家との個別交渉次第 |
上野は観光客と地元利用が混在するため、23時以降も通行量が落ちにくい点が特徴です。このため、深夜営業を想定した買い手からは「ダクト容量」や「24時間換気設備」の有無が重視されます。事前に管理会社へ「時間帯別騒音基準」や「排気経路の共有状況」を確認しておくと、交渉が円滑に進みやすいでしょう。
買い手が上野で探している業態と設備条件
上野の居抜き物件を検討する買い手層は、①観光客向けカフェ・軽食、②駅利用客向けテイクアウト、③在留外国人向け飲食の3つに大別されます。帝国データバンクの「飲食店開業動向調査(2023年)」では、上野・浅草エリアで開業した飲食店の約35%がテイクアウト併用型でした。
買い手が特に確認する設備は以下の通りです。
- ダクト・換気扇の能力(1時間あたり排気量15,000m³以上が目安)
- グリーストラップの容量と清掃履歴
- 給排水管径(排水管100A以上が望ましい)
- 電気容量(分電盤の契約アンペア数と残容量)
これらの数値は、買い手が金融機関へ提出する事業計画書の根拠資料にもなります。売却側で「設備仕様書」や「保守点検記録」を用意しておくと、価格交渉で有利に働くケースがあります。
一方、観光客向けカフェを希望する買い手は「看板設置の可否」と「路面からの視認性」を重視します。上野駅公園口側は大型ビジョンやアーケードの影響で視認性が低下しやすいため、事前に「看板協定」の有無を大家へ確認しておくと良いでしょう。
譲渡手続きのタイムラインと連絡先
居抜き譲渡を進める場合、一般的には「退去予定の6ヶ月前」から準備を始める事例が多いです。以下は上野エリアで実際に用いられている手順例です。
- 契約書再確認(賃貸借契約書・造作譲渡に関する特約条項)
- 管理会社・大家への「譲渡相談」連絡(書面推奨、内容証明郵便も可)
- 設備リスト・写真撮影(日付入りで残す)
- 買い手募集(居抜き専門ポータルサイトや地元不動産会社)
- 現地内見・設備動作確認(管理会社同席を推奨)
- 譲渡契約締結・敷金返還手続き
上野エリアは管理会社が複数介在する物件も少なくありません。連絡先が不明な場合は、固定資産税納税通知書に記載の「家屋の所在地」から管轄の区役所固定資産税課へ照会する方法もあります。※具体例は店舗の契約内容・状況により異なります。
大家から「原状回復を求められた場合」の対応として、造作の一部を残す「一部原状回復」の交渉事例もあります。交渉の際は「次テナントが希望する設備」を具体的に伝えると、折り合いがつきやすい傾向があります。
搬出・原状回復で上野特有の注意点
上野は道路幅員が狭い路地が多く、重量物搬出にクレーンやフォークリフトが必要になるケースがあります。事前に「車両進入可能時間帯」と「道路使用許可」の要否を所轄の台東区役所道路管理課へ確認すると、追加費用を抑えられます。
原状回復費用の目安として、厨房設備をすべて撤去する場合、30–50㎡で80–180万円程度(廃棄物処理費込み)という事例が複数見られます。ただし、居抜き譲渡で設備を残す場合は、この費用を買い手が負担する形になるため、事前に見積もりを取得しておくと交渉材料になります。
上野駅周辺は「不燃認定」の古い建物も残存しており、ダクト撤去時に防火区画の復旧工事が必要になる事例もあります。管理規約に「ダクト撤去時の防火措置」に関する条項があるかを確認し、必要に応じて管轄の消防署予防課へ事前相談するとスムーズです。
税務・会計上の整理ポイント
居抜き譲渡金を受け取った場合、法人・個人ともに「固定資産の譲渡所得」として扱われる可能性があります。国税庁「固定資産の譲渡所得の計算方法」ページでは、取得価額から減価償却費を控除した金額を基に譲渡所得を算出するとされています。詳細は税理士または所轄税務署へ確認してください。
また、譲渡に伴い従業員を解雇する場合は、解雇予告手当や未消化有給休暇の精算が発生します。労働基準法第20条に基づき、30日前までの予告または平均賃金30日分の手当が必要です。手続きの詳細は厚生労働省「モデル労働条件通知書」および所轄労働基準監督署へご確認ください。
よくある質問
居抜き譲渡 上野で、造作譲渡金はどのように決めるのが一般的ですか?
造作譲渡金は、設備の残存年数・状態・買い手が負担する原状回復費用を差し引いて算出されることが多いです。上野では観光需要とビジネス需要の両方を考慮し、厨房設備の有無で50–350万円程度の幅があります。最終的には当事者間の合意によるため、複数の査定を取得して相場感を掴むと良いでしょう。
上野で居抜きを譲渡する場合、大家の承諾は必ず必要ですか?
賃貸借契約書に「譲渡禁止特約」がある場合は、大家または管理会社の承諾が必要です。特約の有無や承諾手続きは契約書を再確認のうえ、管轄機関や管理会社へ確認してください。
居抜き譲渡の買い手が見つからない場合、造作だけ売却することは可能ですか?
設備のみを売却する「造作売却」という形も選択肢として挙げられます。ただし、賃貸借契約の扱いや原状回復義務が変わる可能性があるため、契約内容を再確認のうえ、管理会社や専門家へ相談することをおすすめします。
上野エリアで居抜き譲渡を検討中ですが、相談しても閉店を強制されませんか?
当窓口では状況整理のお手伝いのみを行っており、閉店を前提とした提案は行いません。まずは契約書や設備状況を整理したいという段階でもご相談いただけます。
相談しても閉店を強制されません。状況整理だけでも結構です → https://misejimai.jp