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居抜き売却が進まない理由と売却前に確認したいポイント

公開: 2026年6月14日
居抜きでの売却を検討しているものの、問い合わせが少ない・内見につながらないという声は少なくありません。契約内容や設備状況、エリア特性など複数の要因が重なっているケースが多く、原因を一つずつ整理することが次の手がかりになります。この記事では、売却が進みにくい主な理由と、事前に確認しておきたい点をまとめています。

この記事で分かること

居抜き売却が思うように進まない場合、原因は一つとは限りません。設備の状態、契約条件、周辺相場、大家の対応など、複数の要素が絡むことが一般的です。以下では、問い合わせや内見につながらない背景を整理し、売却前に確認しておくべき事項を具体的に挙げます。

居抜き売却が進まない主な背景

居抜き物件の売却が停滞する背景には、設備の老朽化やブランドイメージの引き継ぎにくさ、近隣の競合物件との比較などが挙げられます。実際、居抜き売却を扱う事業者の間では「設備が10年以上前のまま」「看板や内装の印象が強い」といった指摘がよく聞かれます。

また、居抜き売却を希望する買い手側は、開業資金を抑えたい一方で、改装費用を最小限にしたいという傾向があります。そのため、設備の状態が不明瞭だったり、修繕履歴が残っていない場合は、買い手がつきにくい状況が生まれやすいと考えられます。

さらに、買い手が内見を決めるまでのハードルとして「写真の画質が粗い」「設備の使用感が伝わらない」といった点も指摘されています。写真撮影のタイミングや照明の当て方、広角レンズの使用有無で第一印象が変わるケースもあります。

※具体例は店舗の契約内容・状況により異なります。

契約内容で確認しておきたい点

居抜き売却を進める場合、まず賃貸借契約書に「造作譲渡」や「設備譲渡」に関する条項があるかを確認することが一般的です。条項がない場合や、大家の承諾が必要と明記されている場合は、売却活動を始める前に大家へ相談する流れになることが多いようです。

大家の承諾を得る際は、譲渡先の事業内容や営業形態について事前に伝えておくことが望ましいとされています。承諾が得られないまま売却を進めると、後でトラブルになる可能性も指摘されています。契約書の内容は店舗ごとに異なるため、管轄の自治体や専門家に確認しながら進めることを検討してください。

契約書確認チェックリスト

大家への相談時に準備する書類例

  1. 居抜き売却の概要(A4 1枚程度)
  2. 設備一覧表(設置年・メーカー・型番)
  3. 直近3ヶ月の売上・客数推移
  4. 譲渡希望時期(目安)

設備・内装の状態と相場感

居抜き売却では、設備の残存年数やメンテナンス状況が買い手の判断材料になります。エアコン、換気設備、給排水設備などが10年以上使用されている場合、買い手側が別途修繕費用を見込む必要が出てくるため、売却価格に影響が出るケースがあります。

相場については、立地や設備の状態により大きく異なりますが、居抜き売却の事例では「月額家賃の6〜12ヶ月分程度」を一つの目安として挙げる事業者もあります。ただし、これはあくまで参考値であり、実際の取引では設備の状態や契約期間、原状回復の有無などが考慮されることが一般的です。

項目確認のポイント目安となる目安修繕・交換費用の相場例
エアコン・空調設置年・メンテナンス履歴残存年数5年未満で評価されやすい壁掛型 15〜25万円/台
換気設備ダクト・排気ファン状態法令点検記録の有無ダクト清掃 3〜8万円/回
給排水設備配管の老朽化・水漏れ履歴修繕履歴の有無配管一部交換 10〜30万円
厨房機器一式製造年・使用時間製造後7年以内で評価されやすい食洗機交換 20〜40万円

設備の状態を写真や資料で整理しておくことで、買い手への説明がしやすくなると考えられます。写真は「使用中」「停止中」「内部」「型番シール」の4パターンを撮影しておくと、問い合わせ時のやり取りがスムーズになる場合があります。

エリア特性と競合物件の影響

居抜き売却では、同一エリア内の類似物件の存在が売却期間に影響を与えることがあります。周辺に新しくオープンした居抜き物件や、原状回復済みのスケルトン物件が同時に募集されている場合、条件の比較が行われやすいためです。

また、飲食店が集中するエリアでは、保健所の営業許可や消防法の適合状況が買い手にとって重要な判断材料になります。過去に同じ店舗で営業していた業態が、現在の買い手希望と合わない場合も、売却までに時間がかかることがあります。

競合物件との比較で確認したい点

これらの情報を不動産ポータルサイトや地元不動産会社で調べることで、売却価格や売却期間の見通しを立てやすくなると考えられます。

税務・原状回復に関する基本的な整理

居抜き売却を検討する際は、譲渡に伴う税務上の扱いや、原状回復義務の有無についても整理しておくことが一般的です。設備の取得価額や減価償却の状況によっては、譲渡所得が発生する可能性もあります。

原状回復については、契約書に「造作譲渡時は原状回復を免除する」といった特約があるかを確認することが推奨されます。特約がない場合は、売却後に原状回復を求められるケースも想定されます。詳細は管轄の税務署や自治体で確認してください。

国税庁「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5403.htm

原状回復費用の内訳例(20坪程度の飲食店の場合)

項目費用目安備考
床・壁の原状回復15〜30万円クロス・床材の張り替え
厨房排気ダクト撤去8〜15万円ダクト撤去・穴埋め
給排水配管処理5〜12万円床下配管の切断・塞ぎ
看板・外装撤去3〜8万円ネオン・袖看板
合計31〜65万円状況により変動

売却前に検討できる選択肢

売却活動を始める前に、以下の点を整理しておくことで、後の手続きがスムーズになる場合があります。

  1. 賃貸借契約書と造作譲渡に関する条項を確認する
  2. 設備の設置年・修繕履歴をリストアップする
  3. 大家へ売却の意向を伝え、承諾の可否を確認する
  4. 近隣の居抜き物件の募集状況と賃料相場を調べる
  5. 税務・原状回復に関する基本的な見通しを立てる

これらの確認を進めたうえで、売却を進めるか、原状回復を選択するかを検討する流れが一般的です。

よくある質問

居抜き売却を依頼する場合、費用はどのくらいかかりますか

居抜き売却を専門に扱う事業者への依頼料は、売却価格の10〜20%程度を目安に設定しているところが多いようです。ただし、契約内容や設備の状態により異なるため、複数の事業者に見積もりを依頼して比較することを検討してください。

大家の承諾が得られない場合、売却はできませんか

大家の承諾が契約上必要とされている場合、承諾なしで売却を進めると後でトラブルになる可能性が指摘されています。承諾が得られない場合は、原状回復を選択するか、契約条件の変更を大家と協議する選択肢を検討することが一般的です。

設備が古い場合でも売却できる可能性はありますか

設備の状態が買い手の判断材料になるため、老朽化が進んでいる場合は売却価格に影響が出る可能性があります。ただし、設備を一部更新したり、修繕履歴を明確にすることで、買い手がつくケースもあります。状況に応じて専門家に相談することを検討してください。

居抜き売却と原状回復、どちらが良いか判断できません

居抜き売却と原状回復の損益分岐は、設備の残存価値や原状回復費用、売却までの期間などを総合的に判断する必要があります。判断に迷う場合は、複数の事業者から見積もりを取ったり、管轄機関で確認したりすることを検討してください。

売却活動を始めても、閉店を強制されることはありませんか

売却活動はあくまで選択肢の一つとして検討するものであり、活動を始めたからといって閉店が決まるわけではありません。状況を整理する段階で相談することも可能です。

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本記事について
本記事は店じまい窓口の編集チームが作成した一般的な情報提供です。実際の手続きは店舗の状況・契約内容・自治体により異なるため、具体的な判断は管轄機関や専門家にご確認ください。 店じまい窓口は、ご相談内容を整理してご案内する窓口であり、代理交渉等は行いません。
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